トップページ»  当院が提供している腎代替療法について

当院が提供している腎代替療法について

腎代替療法とは

腎臓の機能が正常レベルの10%程度を下回ると、疲れやすさ、頭痛、食欲不振、吐き気、むくみなど、多くの不快な症状が現われるようになります。
このような状態(尿毒症)を改善する手段が腎代替療法です。
すなわちそれは、働きの悪くなった腎臓の肩代わりをする治療だといえるでしょう。
腎代替療法の目的は体内の水分・電解質・酸塩基平衡のバランスを維持し、血液中の老廃物や毒素を排出することです。当院では、これまで長年にわたり蓄積した豊富な経験をもとに、患者さん一人ひとりの病状に最も適した腎代替療法を提供しています。

治療法の詳細を知りたいなど、ご希望があればお問い合わせください。


腎代替療法の種類

腎代替療法には以下の三つがあります。

1. 血液透析
血液透析は、患者さんのバスキュラーアクセス(シャント血管)に針を刺し、体外に取り出した血液を透析器(ダイアライザ)に通して老廃物や余分な水分を除去する方法です。
特徴: 週に3回通院し、1回あたり3〜5時間の治療を受けます。

• メリット
・専門職が医学的なケアを行うので安心感がある。
・実施できる施設が多いので旅行などに行きやすい。

• デメリット
・時間的な拘束や食事管理など、生活上の制約がやや大きい。
・バスキュラーアクセスの維持・管理が困難となることがある。


2. 腹膜透析
腹膜透析では、腹腔内に挿入したカテーテルから透析液を注入し、一定時間貯留させたのち排液します。患者さん自身の腹膜を透析膜として利用することにより、体内の老廃物や余分な水分を除去します。
特徴:自宅や職場などで、患者さん自身あるいはご家族が毎日治療を行います。

• メリット
・通院頻度が月1~2回程度と少なく、時間的な自由度が高い。
・血液透析と比較して、残された腎臓の機能が維持されやすい。
・心臓への負荷が血液透析より少ない。

• デメリット
・清潔操作や機械操作ができない患者さんが行うことは難しい。
・腹膜機能の低下により中断を余儀なくされることがある。
・腹膜炎やカテーテルの閉塞などを起こすリスクがある。


3. 腎移植
腎移植は、健康な腎臓を提供者(ドナー)から受け取り、働きを失った腎臓の代わりに移植する方法です。生体腎移植の場合、提供者である親族も手術を受けなければなりません。
特徴: さまざまな腎臓の機能を取り戻すことができる唯一の治療法です。

• メリット
・腎代替療法の中で最も良好な生命予後が期待できる。
・日常生活の自由度が高い。
・透析治療に伴う精神的・肉体的束縛から解放される。

• デメリット
・日本では諸外国に比べて臓器提供が圧倒的に少ない。
・ドナーが確保できない場合、移植を受けるまで平均15年程度かかる。
・免疫抑制剤の内服が必要である。


治療法の選択

患者さんの健康状態、ライフスタイル、さらには価値観やニーズに基づいて
治療法を選択します。
当院では専門の医師、看護師、管理栄養士、薬剤師がチームを組み、患者さんやそのご家族と十分話し合って治療計画を立てます。
なお、腎移植をご希望の場合は、専門の連携医療機関へ紹介させていただきます。